耐震補強工事 横浜市
昭和56年以前に建てられた木造住宅は、旧耐震基準と呼ばれる古い耐震基準で建てられた建物の為、耐震性が著しく劣ります。現在、建っている木造住宅の半数近くはこの旧耐震基準の建物で、その2/3以上が倒壊の恐れのある危険な建物であるという結果が出ています。 現在、行政はこれら耐震性の低い建物を、耐震性の高い建物に補強し直し、地震時の被害を少しでも減らそうと努力しています。
今回は、横浜市の耐震補助金を利用した耐震補強工事の施工例をご紹介しながら、一般的な木造住宅の耐震補強についてご説明させていただきます。平成24年2月現在、横浜市での耐震補強の補助金額は225万円です。(平成26年3月31日まで)
耐震補強とは、地震時の横揺れに抵抗するための壁(耐力壁)を、その建物の重量と面積から計算して必要な量を求め、南北方向、東西方向にバランスよく配置していくことです。建物の重量が増えると必要な壁の量も増えていくため、耐震性においては軽い建物のほうが有利です。この場合の重い、軽いとは主に屋根材によって替わります。
屋根材が瓦の場合を重い建物として評価し、スレートなどその他の屋根材については軽い建物として評価します。
筋かいについて
一般的な耐力壁はこのような筋かいと呼ばれる柱と柱の間の斜めの部材です。 | 筋かいの強さは部材の太さで変わります。 |
通常は30㎜か45㎜の太さの筋かいを使います。 |
筋かいの取り付け方法
筋かいの取り付け方も2種類あり、柱の間に×印にかける方法を「タスキ掛け筋かい」と呼びます。 |
また、どちらか一方の方向に掛ける筋かいを「片掛け筋かい」と呼びます。当然、タスキ掛筋かいの方が壁強さは大きくなります。 |
筋かいの端部固定
筋かいの端部は決められた金物で柱、土台(または桁)に固定します。 |
筋かいのかかるそれぞれの柱の柱頭、柱脚も金物で土台(または桁)に固定します。 |
昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた建物は、これらの固定金物がほとんど使われていませんので、地震のときの横揺れで柱や筋かいが抜けて、大地震時の建物倒壊の原因となりました。 このとき使用する金物は1本、1本の柱の負担する引き抜き力を計算し、それに見合う金物を取り付けします。(N値計算)
筋かい以外の耐力壁
基礎の新設(ツイン基礎)
その建物に応じたベストな耐震補強を!!
このような工程で建物の耐震性を上げていきます。
耐震補強には正解というものがありません。今回は耐力壁を室内側から作りましたが、屋外から造り方法もあります。耐力壁も入れる位置や方法で、工期や工事費が変わってきます。
その建物や住まわれている方の状況に応じて一番ベストな方法を選択することが、結果、経済的な工事につながります。
横浜市では旧耐震基準で建てられた住宅の耐震工事化の為の助成制度があります。下記をご参照下さい。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenchiku/guid/kenki/bousai/mokutai/mokukaishu/