熱を伝えることを伝熱といいます。伝熱には1.伝導 2.対流 3.輻射 の3要素があります。断熱とはこれら3つの要素を止めることです。
1の伝導とは物体そのものが熱を伝えることを言います。これは物体の分子間を熱が移動するため分子がたくさんある物体ほど熱が伝わりやすいのです。一般に重いものといえるでしょう。そのため熱を伝えなくするための断熱材は軽く、分子量を少なくする必要があります。
2の対流とは空気の移動によって熱が伝わることです。壁体内が空洞で空気が入っているとすると冬、外気によって冷えた外壁側の空気は下降し、室内側に面する空気は暖められ上昇します。そこで壁体内で対流がおき熱が伝わってしまいます。
そのため壁体内に断熱材を充填し断熱しますが、断熱材そのものにも空気が含まれていますので断熱材の中で対流が起きて伝熱してしまいます。
そこで断熱材は繊維が細かく内部空気の動きにくいものが良いのです。
3の輻射とは熱は高いほうから低いほうへ移動することです。冬、窓の近くにいますと寒く感じるのは高い体の体温が低い窓ガラスの表面温度のほうへどんどん移動するからです。窓ガラス自体はほとんど断熱効果はありませんので前回お話したようにペアガラスや2重サッシにすることによって内部に断熱の役目をする空気層を入れることが有効です。ただし上記の話でおわかりのように内部の空気層を広く取ってしまうと中の空気に対流が起き伝熱してしまいますから注意してください。
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